「記憶」で読む『鬼滅の刃』


「記憶」で読む『鬼滅の刃』
セブンネット
2420円
戦いの合間でさえ、人間も鬼も自分の過去をしばしば思い出す。そう、『鬼滅』は過去の「記憶」をめぐる物語なのだ。「回想」「走馬灯」「時間(過去・現在・未来)」などを鍵に、「細胞の記憶」や「先祖の記憶」など物語独自の概念にも着目。記憶研究を専門とする文学研究者が真剣に読み解く『鬼滅』論!【目次】序章 『鬼滅』と記憶第一部「時間」と「記憶」の芸術作品としての漫画『鬼滅の刃』第一章 漫画研究と「時間」と「記憶」第二章 「回想の物語」としての『鬼滅の刃』 炭治郎立志編(那田蜘蛛山まで)第三章  過去を語る技法としての夢と幻、そして記憶?無限列車編第四章  繋がれる記憶 遊郭編 vs 上弦の陸・堕姫、妓夫太郎第五章  遺伝する記憶 刀鍛冶の里編 vs 上弦の肆・半天狗、伍・玉壺第六章 最後の戦い(一) 柱稽古?無限城へ     vs 新上弦の陸・獪岳、vs 上弦の参・猗窩座?柱稽古編消えない痛みの記憶?無限城へ珠世の血鬼術?善逸vs新上弦の陸・獪岳「物語」の継承と変容?呼吸法の伝承とその派生?炭治郎、冨岡vs上弦の参・猗窩座第七章 最後の戦い(二) vs 上弦の弐・童磨 vs 上弦の壱・黒死牟?上弦の弐・童磨 vs 胡蝶しのぶ、栗花落カナヲ、嘴平伊之助?血筋という縛り?上弦の壱・黒死牟    vs時透無一郎、不死川実弥、悲鳴嶼行冥、不死川玄弥 第八章  最後の戦い(三) vs 鬼舞辻無惨、鬼の王、すべての終わりに?鬼舞辻無惨 vs すべての人々?まとめ?「手」を「繋いで」、「家」に帰る第二部作品にちりばめられたテーマたち繋がりと縛り◎「糸」と「手」◎「血」の強さと縛り〈記憶や想いの継承〉◎鬼の細胞に刻まれる「記憶」◎まねびによる継承?叙述(ナラティヴ)の変奏◎夢と古(いにしえ)の記憶?集合的記憶の場として◎死者との対話と魂の実在◎記憶の媒体(メディア)?身体、物品◎伸び縮みする「時間」?無意志的記憶と走馬灯◎「兄」として◎他者を「人」として尊重し、「人」として生きる◎侍?自分ではなく、誰かのために◎「心を燃やせ」?燃えている「心」とは一体何なのか終 章  記憶とは何か1 記憶と身体2 想起のきっかけ(トリガー)と無意志的記憶3 走馬灯4 改変される記憶と夢5 変化する記憶の叙述(ナラティヴ)6 記憶の重ね合わせと虚偽記憶(フォールス・メモリー)7 記憶の叙述の再解釈8 他者の記憶を共有する?集合的記憶9 記憶の遺伝と集合的無意識あとがき 物語の記憶を閉じる